木村政雄の私的ヒストリー

HISTORY

第話

 天野さんによると、「熟年離婚を回避するためには、亭主が変わるしかない」のだそうです。「なぜなら、妻は絶対に変わらないから」だというのです。それが証拠に、妻の「ごめんなさい」を聞いた亭主は、この世にいないからだとおっしゃるのです。そういえば私も聞いたことがないような気がしないでもありません。さらに続けて天野さんは、亭主には既に妻の尻に敷かれている亭主と、やがて妻の尻に敷かれる亭主の2種類しかなくて、どうせ尻に敷かれるなら、いかに上手に敷かれるかを研究した方が、「家庭内生存率」が高まるとおっしゃるのです。こうして天野さんのお話を伺ううちに、さっそく私もメンバーに加えていただくことになりました。

 折しも、前年4月から、離婚後も厚生年金を夫婦間で分割できるように年金法が改正され、阻害要因がなくなり、熟年離婚が予測されていました。これが、団塊世代の大量リタイアに次いで、新たな「2007年問題」と呼ばれていた時期でもありました。これを防ぐには、やはり日ごろのメンテナンスを欠かしてはならないのです。マーケティングの世界では、C.Sといえば顧客満足度のことを言うのですが、同じC.Sでも、家庭ではこれをコミュニケーションの満足度と読み替えなければならないのです。間違ってもギリシャ人のように、接触を意味する「コネクト」や、結合を意味する「コンバイン」と読み替えてはならないのです。

 そんな危機感もあって、天野さんにお願いをして全亭協のメンバーに加えていただいたのですが、後日送られてきた書類には、会員が順守しなければならない、2つの原則が記されていました。1つは、「ありがとうをためらわず言おう」、「ごめんなさいを恐れず言おう」「愛してるを照れずに言おう」という愛の三原則なるものが書かれていました。この3つの言葉こそが、凍った妻の心を溶かす魔法のワードだというのです。妻が三行半を突き付ける最大の理由が、亭主からこの言葉を何十年も聞かなかったからだというのです。

 そして、もう一つが、「勝たない」、「勝てない」、「勝ちたくない」という非勝三原則で、なぜ勝たないか?というと、喧嘩に勝てると思って反論すると、1時間で済む喧嘩が2時間になるだけだから。なぜ勝てないのか?というと、もし喧嘩になっても、敵は20年前の浮気を引き合いに出してくるという最終兵器を持っているから。更に、なぜ勝ちたくないのか?というと、たとえその喧嘩で勝利を収めたとしても、次の喧嘩ではそのツケが5倍10倍になって帰って来るだけだからと、理由が書き添えられていました。

 天野さんには、さっそく「5ℓ」の4月号からコラムページを持っていただくことにして、私は入会審査を受けて,下から2番目の二段と認定されました。実は会長の天野さんも五段で、それ以上に昇段をするためには、論文の審査と、新技や荒技を提供しなければならないのだというのです。因みに八段以上は全国に十数名しかおらず、最高位の十段に至っては、板橋嘉道さんお一人しかおられないと聞きました。この方は大企業の社長さんで、無数の技を身に付けておられ、既に即身成仏となり、強い奥さんの前では常に自分の気配を消して生きる、無我の境地にある方だと聞きました。

 4月26日、RKBラジオの永田伊久万ディレクターから声を掛けていただいた「あべちゃんトシ坊・こりないふたり」という生ワイド番組に出た後、午後2時半から天神のアクロス福岡に1300人を集めて開かれた「全亭協全国大会 in 福岡」に出席させていただき、天野さんの基調講演に続いてお叶われた「OJISANシンポジウム」にパネラーの一人、木村二段として出演させていただきました。

 ちょうどこの年の1月からゴルフ界でも、ドライバーの高反発規制ルール(SLE規制ルール)が施行され、フェースの反発係数が0.83を超えるクラブが全面的に使用できなくなっていたのです。時代はまさに、高反発から低反発へとシフトしていたと言えるのかもしれませんね。

天野周一さん

 

 

 

こんなに右肩上がりで増えています

 

熟年離婚をテーマにした著名な3作品「熟年離婚(テレビ朝日)」

 

「2012年の作品」

 

「2016年の作品」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクロス福岡

 

 

 

でも、この日に参加をしてなんといきなり九段に出世したのです(どないやねん!!)

 

ゴルフ界にも高反発を規制する動きが