
スタジオへ入って、隅っこでカメラを担当していただく荒木さんやスタッフとしばし談笑をしていると、やおらニューアルバム「your songs」が流れ、矢沢さんが現れました。途端に空気が張り詰めたものに一変しました。あとは、「スター矢沢」と「天才アラーキー」の直接対決。まるで剣豪の果し合いを見ているような気分でした。普段、カメラマンの指示に従って被写体であるタレントさんがポーズを取られる姿ばかり見ている私にとって、初めての体験でした。しかも撮影されるのが、かの荒木さんなのですから尚更のことです。私の目には、音楽に合わせて、自在にポーズを取られる矢沢さんを、追うのに懸命になられたのか、荒木さんの額には汗が滲んでいました。「やっぱり永ちゃん、あんたはスゴイ!」と思わされたのですが、さて、今度は自分がその立場になるかと思うと、心の中に些か、緊張感が走りました。
あらかじめ曲を聴き、角川書店から1980年に出た「成り上がり」や、2004年に出た「アー・ユー・ハッピー」などを読んで、この日に備えたものの、通り一遍のインタビューなどをしても、とても通用する相手ではないと覚悟を決めて、矢沢さんの「生き様」に絞って、お話を伺うようにしました。おかげで、とてもフレンドリーにお話をいただいて、何とか役目を果たすことが出来ました。スタジオを出て、皆で緊張感を癒すべく、昔よく行った近くの喫茶室「まつもと」へ入ったのですが、無事入学試験を終えたかのように、皆の顔にホッと安堵の色が浮かんでいたのを憶えています。
この矢沢さんが表紙になった「5ℓ」6月号は、今までにない反響を呼び、その後の部数の増加につながりました。そうそう、ある筋の団体の方から「5ℓを100冊持ってこい」などと電話が入ったことがあり、矢沢ファンの幅広さに驚いたことがあります。とはいえ、無料誌をこちらから届ける謂れはなく、当然お断りさせていただいたのはいうまでもありません。
こうして4月を迎えることになったのですが、4日には大阪でNHKの新番組「もっともっと関西」(通称「ももかん」)という番組に出演をしました。この4月3日から始まった番組で、月曜から木曜まで、午後5時15分から6時までの45分の生放送で、メイン・キャスターを、NHKスペシャルなど、数々のドキュメンタリーのナレーションで活躍されていたベテランの濱中博久アナウンサー、サブキャスターを、NHKきってのイケメンといわれる若手の青井実アナウンサーが務めていました。
もともとあった、「関西ニュース1番」から生活情報部分を独立させて始めた番組で、「夕方の主婦に思いを馳せて」のサブタイトル通り、40~50代の主婦をターゲットに企画されていました。私が出演する火曜日は、関西で活躍するゲストを迎えてトークをする「モモカン‼ガンバリズム」や、「まちかど探検隊」、晩御飯のおかずのヒントになる「今すぐもう一品」といったNHKらしいコーナーで構成されていました。「朝ズバ!」と違い早朝に起床をしたり、長時間でもない事もあって、お受けさせていただいたのですが、濱中さんのお人柄もあって、スタジオが和やかな雰囲気に包まれ、「やっぱり関西はいいな!」と思いながら番組に出演させていただいたのですが、「朝ズバ!」の速いテンポから「モモカン」のホンワカしたテンポに慣れるまでには、しばしの時間を要しました。
そうそう、いつだったか祇園の「てる子」さんに寄った際に、「青井君とテレビに出ておいやすなあ」といわれて驚いたことがありました。聞けば、「丸井」を創業された、おじい様の青井忠治さんからのお付き合いだとかで、なんとその上に、幼稚舎から大学までが慶応、しかも長身でイケメン、その上にスポーツ万能だとか。おかげで、この日以降「一体、どういうこっちゃねん!」と憎しみと羨望を込めた目で彼を眺めるようになった記憶があります。青井さんは目下、月~金の、午後11時10分から11時40分まで放送される「ニュースホット11」のメイン・キャスターとして活躍をされています。でも「神様は、何と不公平なことをなさるのか!」などと嘆いたら、矢沢さんに叱られますよね、きっと。






喫茶店「まつもと」


濱中博久アナウンサー

青井実アナウンサー

「もっともっと関西」の番組出演者の皆さん

「ニュースチェック11」








