一方でこの年(2004年)の1月28日には、「フジ・サンケイ広告大賞」クリエイティブ部門の審査員をさせていただきました。メンバーはお目にかかったことのある糸井重里さんや残間理恵子さん、井筒和幸監督の他に、アートディレクター界の巨匠・浅葉克己さん、写真家の加納典明さん、脚本家として「セカンドバージン」などを手掛け、ラブストーリーの名手といわれた大石静さん、ハイパーメディアクリエーターの高城剛さんという方々でした。各々が候補作品を見て、講評をしながら採点するという形で進められるのですが、何の専門知識もない私は、他の審査員の方々がしっかりとしたコメントをされるのを眺めて感心しつつ、「加納さんの顔って大きいな!」とか、饒舌にコメントされる高城さんを見て、「よくしゃべるけど、何を言っているのかよく分からないな?」などと思っていた気がします。そんなわけで、翌年からは声も掛からず、「そりゃ、そうだよな」と自分でも納得はしていたのですが、なぜか2007年には再び審査会に呼ばれて参加しています。多分誰かの穴埋めだったと思うのですが、2008年に「大企業の広告ばかりが選ばれる」ことに疑問を呈された井筒監督に同調するコメントをしたこともあってか、これ以降は審査会に呼ばれることはありませんでした。
次いで2月19日には、わざわざ東京から来阪されたメディアライツの中村由紀人さんと小林元之さんから、4月からTBS系BSデジタル放送・BS-iのラジオ番組「元気 e ! 」に、パーソナリティとして出演してくれないかという依頼があり、前年の7月1日に、当時パーソナリティを務められていた渡辺邦昭さんのゲストとして、出演させていただいた経緯もあり、お引き受けさせて頂くことにしました。自分づくりのヒントや元気の秘訣を、ゲストを通して学ぶ「人生の応援番組」で、制作を中村さんが出向されていた母体のPHP出版と、小林さんが出向されていた母体の松下電器産業が共同出資をして設立した「メディアライツ」が担い、日本生命系の「星和ビジネスサポート」がスポンサードをするというスキームでした。
3月24日には、さっそく第1回目の収録がTBSで行われ、残間恵理子さんと和田秀樹さんにご出演をいただきました。以降、翌2005年3月末までに、(多人数のため以下敬称は略しますが)ダイソー社長の矢野博丈さん、青島幸男さん、黒鉄ヒロシさん、由紀さおりさん、森田健作さん、ドラマプロデューサーの武敬子さん、大石静さん、スポーツジャーナリストの二宮清純さん、秋元康さん、サッカーのセルジオ越後さん、吉村作治さん、「0007は2度死ぬ」で日本初のボンドガールを務めた浜美枝さん、シンクロの井村雅代コーチ、武田美保さん、不肖宮嶋で知られる報道カメラマンの宮島茂樹さん、経済学者の金子勝さん、井筒監督、実業家で文筆家でもある平川克美さんといった著名な方々に、ゲストとして出演をしていただきました。番組を通して、素敵なお話をいただいたゲストの皆さん、星和ビジネスサポートの阿知羅英夫社長と制作プロジェクト担当の壱岐國芳さん、メディアライツの中村さん、小林さんには感謝のほかありません。この際に培った経験が、後に編集長として創刊することになった「5L」の巻頭インタビューをする際に大いに役立ったのです。
そうそう、「元気 e ! 」の1回目の収録を行った3月24日には、そのあと「弘旬館」を訪ね、文藝春秋社から出される「第二の人生・私のプレリタイアメント」の取材を受けた後、「日本の論点」編集長でもあった渡辺一弘社長と、文化放送の首藤淳哉さんとで、文京区水道2丁目にある「石ばし」という店で一緒に鰻を食べたのを憶えています。何でもこの店は1910年創業の老舗で、ミシュランの常連だといいます。「フランス人に鰻が分かるのか!」という思いをぐっとこらえつつ、美味しい鰻に舌鼓を打ちました。
4月から私は、文化放送では金曜朝の「蟹瀬誠一ネクスト!」ではなく、月曜午後の「吉田照美のやる気MANMAN」という番組のコーナーに出させていただくことになって、その打ち合わせを兼ねての食事会でもあったのです。吉田照美さんが小俣雅子さんと共に、深夜放送のノリでふざけた企画を行う「白昼の深夜トーク番組」、として、従来の高齢者ばかりではなく、20・30代の若いリスナーを取り組んだと言われた人気番組でした。やはり私には、真面目な蟹瀬さんの番組より、いい加減な(もちろん計算されたいい加減さだとは思いますが)この番組の方が性に合っていたようで、スタジオへ向かう足取りが、随分軽くなったように思います。
浅葉克己さん
加納典明さん
高城剛さん
中村由紀人さん
小林元之さん
矢野博丈さん
青島幸男さん
黒鉄ヒロシさん
由紀さおりさん
森田健作さん
武敬子さん
大石静さん
二宮清純さん
秋元康さん
セルジオ越後さん
吉村作治さん
浜美枝さん
武田美保さん
宮島茂樹さん
金子勝さん
平川克美さん
(左から)カメラマンの花井さん、壱岐さん、浜菜さん、私、阿知羅社長、小林さん、中村さん
「元気 e ! 」の内容は2006年1月30日に丸善で書籍化され、私は監修者として名前を連ねました。
渡辺一弘さん
首藤淳哉さん
石ばし
文化放送の「やる気 MAN MAN」