木村政雄の私的ヒストリー

HISTORY

第話

 紳助・竜介、のりお・よしお、阪神・巨人、やすし・きよしの吉本勢に、B&B、ツービートの東京勢、女性コンビのさおり・しおりが出演した[THE MANZAI]第2回目の視聴率は17.2%と第1回目を上回りました

 いつもはスタジオで収録風景を見ているのですが、この時は全体を俯瞰で見てみようと思って、スタジオの上にあるサブ(副調整室)で見てみることにしました。気がかりなことが一つあったのです。やすし・きよし、阪神・巨人には安定感があって何の心配もありません。紳助・竜介も1回目に出て、受けることは証明済み。問題はのりお・よしおのコンビです。観客にハマったときの爆発力はすごいのですが、果たしてハマるかどうか、99%の確信を持ちつつ、1パーセントの不安を抱えていたのです。

 さて、彼らの出番が来ました。心なしかテンションの高い観客に気圧され気味ではありましたが、徐々に本来の持てる力を発揮しかかった時のことです。ディレクターの隣に座ったTK(タイムキーパー)さんからコマーシャルネタ1、コマーシャルネタ2と次々にチェックが入ったのです。最後には一体いくつ入ったか分からないくらいになっていました。火曜ワイドスペシャル枠のスポンサーがどこだったのかは分かりませんが、一社提供ではなく八社が相乗りだったとすれば、当然どこかにバッティングすることは予想がつきます。途中でコマ―シャルネタのカウントを諦めてしまったTKさんばかりではなく、ディレクターからは「このままじゃ放送できませんね」と言われてしまいました。

 その後も番組は予定通り進行したのですが、それをよそに楽屋裏で本人たちと緊急ミーティング、「一番自信があるからやったんだとは思うけれど、こんな大一番にコマーシャルのパロディネタをするなんて!」という怒りを抑えつつ、「もう一回違うネタでトライできるか?」と尋ねてみました。「ぜひやらせてください!」と返ってきた返事を待って、プロデューサー、ディレクターにお願いして、全員の出番が終わった後、師匠の西川きよしさんから「もう一度やらせてやって下さい」と観客に釈明をしてもらって、再度チャレンジをすることができたのです。おかげで彼らもMANZAIブームの波に乗ることができたのです。もちろん、放送ではコマーシャルネタの部分はきれいにネグられていたことは言うまでもありません。

副調整室

 

1981年に発売した、のりお・よしお「MAIDO」